論理条件を作る場合、「AもしくはBもしくはC」に当てはまるグループを抽出したいとすると、そこに含まれない物は「AもしくはBもしくはC、でない」となるわけですよ。
これを論理式にすると、

inner = A or B or C
outer = not (A or B or C) = (not A) and (not B) and (not C)

コレは情報処理技術者試験でもITパスポートの一問目に出てくる超基本的なロジックなのですが、どうにもこの話が世間一般では通じないのですよ。それこそ基本情報持っている様なレベルでも通じないことが希に良くあるくらいに。
世間一般人みんな脳内でベン図を書けるとは思いませんが、それにしても単純に論理を反転するだけのnotにandが絡むと途端に話が長引くのはなんでなんだと疑問でしたが、放送大学の「錯覚の科学 -思考の錯覚と認知バイアス-」で心理的な思考の錯誤の講義があって、その中で「人間は肯定側の情報(=true)の利用は出来ても否定側の情報(=false)の利用ができない・利用を思いつかない人が大半(9割近く)だ」という話があってそりゃ通じないわなぁと‥‥


情報工学の世界では、物事はヒューリスティクスではなくアルゴリズムで表現される必要があるので、肯定と否定は等価値だしアルゴリズムを作り上げるためには常にその両面を見ながら思考するのが大原則です。
なんせ、「SEのための文章の書き方マニュアル」みたいな本には大抵「否定形はわかりにくいので肯定形を使いましょう」とわざわざ書いてあるくらいだしw

とは言え、ある肯定のnotを肯定で言い換えるには限度があるし(肯定のnotを否定で表すと最初の肯定の逆になってるのがわかりやすいけど、肯定のnotを肯定で表すと元の逆になっているかどうかがわかりにくい)、上で書いた not(A or B) = (not A) and (not B)はそれが公式として証明されていますがこの(not A)と(not B)を肯定に言い換えようと(C)(D)に置き換えてしまうと、(not A)が(C)と等価でない場合があったりしてそこで間違いが入り込んでアルゴリズムが崩れる元になりかねないというジレンマ。しかもまれに良くあるので困る。